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ルアーを回収する際の”抜き上げアクション”について

抜き上げアクションとは?
一般的なルアー・フィッシングは、狙い目にルアーをキャストして、リールを巻いて回収。
その動作を繰り返すわけですが、船からシーバスや青物を狙っていると、キャストしたルアーにバイトせず船の真下まで追い掛けてくるケースが良くあります。



この時、追い掛けてきた魚に気づかない事が多く、ルアーを水面から持ち上げた瞬間に、水面から魚が”バシャ!”と飛び出してくることがあり、釣り人はドキっとします。

シーバス狙いの場合、ルアーを追い掛けてくるだけでバイトしない事が多い魚ですので、ルアーを水面から抜き上げるまでアクションを続け、追い掛けてくる魚をキャッチ出来れば釣果アップとなります。

今までの経験から、活性の悪い日ほどルアーを見ているだけでバイトしない現象が発生するので、抜き上げのアクションでバイト&ヒットする事が多くなります。
また、デイゲームではストラクチャー周辺から離れない魚も、ナイトの場合は船の真下まで追い掛けてくる可能性が高くなるので、ナイトゲームでは、抜き上げのアクションを毎回行う必要があります。

一般的な抜き上げのアクションは、青物釣りなどで良く行われている8の字を描くようにルアーを泳がせ、バイト&ヒットを狙います。
ルアーマンの方なら、動画や雑誌で「8の字を描くようにルアーを動かし魚を掛ける」との言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?



ルアーを追い掛けてきた魚に対し、私が8の字を試した結果、ルアーにバイトする事はありますが、バイトする数はかなり少ないです。
また、ロッドの竿先を水中に入れて行うので、水中に響く異音が近くの魚を警戒させ、その後のキャストで魚が追い掛けて来なくなります。

と言う事で、表現を変えるとイマイチの抜き上げアクションとなります。
ただ、捕食行動で優位に立つ青物系の魚は、ルアーに対し積極的にアタックする性質を持っているので、8の字は効果のある抜き上げアクションだと思います。

■シーバス狙いには、私が考えた抜き上げアクションがお勧め!
シーバスは青物とは違い、『小魚の捕食行動がヘタ』な事を魚自身がわかっているので、早い動きには反応してくれません。

そこで、私が色々な抜き上げアクションを試した結果、効果のある方法を3種類発見しました。
そのお勧めのアクションを次の項目にまとめました。
アクションの説明に移る前に、下図の説明をしておきます。



上図の様に、シーバスが船の下についている場合があります。
船の下につくケースは、一投目にキャストしたルアーに魚が付いてきて、船の下に居座ります。
シーバスとっては、船を材木の様な漂流物に思えているのだと思います。

なので、二投目のキャストからは、最後に抜き上げアクションをすると船の下の魚が反応しヒットする事がありますので、魚が船の側まで追い掛けてくる時には、毎回抜き上げアクションを行いましょう。

ちなみに、ルアーの場合、船の下についたシーバスはたまにしかヒットしませんが、エビ餌を使ったエサ釣りでは、船に魚が付くことが多く、船の横で何匹も連続でヒットさせることができます。
不思議と仲間が船の横でバチャバチャしながらキャッチを繰り返しているのにもかかわらず、船の下に居付くのですから魚って面白いですね!


抜き上げアクションは、ナイトゲームでは必ず実践すべき釣り方の一つです!
■お勧めの抜き上げアクションは3種類あります。
□L字:バイト率が高いが、毎回行うのが面倒なアクション。
□U字:バイト率は中ぐらいで、意外と簡単に行える。
□2秒ストップ:バイト率は悪いが、想像以上にヒットするのでお試しあれ!

最もバイト&ヒットする確率が高い抜き上げアクションは、Lの字を引く方法で、通称”L字”と呼んでいます。

漁師の時代、このL字の動作をルアーフィッシングの基本行動に取り入れた釣り方をしていました。
L字での抜き上げアクションでバイトが多い日は、魚の活性が悪い日が多く、デイで10匹釣れたとしたら3、4匹がL字でのキャッチ率になる事もたまにありました。

〇デイゲームでは海水にニゴリがある時に効果があり、スミスミの場合は、魚が船の側まで追い掛けてくる時に効果があります。
〇ナイトゲームでは全ての条件で効果がありますので、毎回のキャストで行う価値があります。



抜き上げアクションL字とは?
上図の様に、船の真横までリトリーブしてきたルアーを、左右どちらかの方向に変える事によりルアーへのバイトを誘発させます。
方向を変えてから引く距離は”50cm以内”でのヒットが多いので、60cm引っ張れば十分だと思います。

スピードと泳がす水深がキモ!
〇スピードはゆっくり
60cm横方向に引っ張っぱるスピードは、”ゆっくり”が基本です。
そして、60cm引っ張ったらルアーを水中に止めて”1~2秒”数えます。(2秒がベスト)
通常のアクションはここまでで完了です。

〇ゆっくりとは?
ゆっくりとは、かなりゆっくりと引きます。
ルアーが頭を振って泳ぐスピードでは早すぎるので、”ルアーが全く泳がない棒”の状態で引っ張るのがコツです。
秒数で例えると、60cm引っ張るのに”3~4秒”の遅さになります。



〇L字を行う水深が重要!
L字は、浅い水深で引くより、深い水深で引いた方がバイト率が高いです。
今までの経験から、L字は水深50cm前後で引いた時のバイト率が高い事がわかっていますが、船の立ち位置や狙うストラクチャーの方向の問題で、毎回50cmの水深を狙うのは難しいので、目標を30~50cmするのが現実的だと思います。

コツは、ルアーを回収する際、竿先を水面に向けたまま、ロッド1本分のラインを残しておき、Lの字を引きます。
ただ、船の立ち位置の関係でラインが長すぎてLの字を引きずらい時は、ロッドの長さの2/3で対応しても大丈夫ですが、ロッド半分の長さだと短すぎて水深10cmの場所を引く事となります。

〇アワセの方向
アワセの方向は”横方向”に、”ロッド”でアワセを入れます。
ただ、L字でのバイト数が多ければ横に引っ張るアワセを行えるのですが、極たまにしかバイトが無いと、ついロッドを上に持ち上げアワセてしまい、口からルアーが抜けてしまいます。



〇抜き上げアクションは、乗りそこないとバラシが多い!
抜き上げアクションの欠点は、バイトした時にアワセを横方向へ行ってもフッキングしない事と、ヒット後のバラシが多いことが難点です。
対処方法は無いので、フックが外れない事を神様に祈りましょう。

〇その他
遊漁船の仕事を始めた頃、釣り仲間でラパラのテスターだった榎本さんに『L字のアクションは、一般公表禁止の秘密のアクション!』と念押しして教えたのですが、なんと、スカパーでのシーバス狙いの動画撮影の際にL字にばかりヒットしてしまい、『このアクションは漁師さんから教えてもらったL字メソッドです!』と説明する事になってしまいました。
ちなみに、その時、船を操船していたのは私です。アハハ・・・
(メソッド(method)とは、方法、方式、手法、やり方、などの意味を持つ英単語)


L字 Uターンバージョンの紹介
上の説明で、『L字は横方向に60cm引っ張れば十分』と記載しましたが、1m引っ張りバイトする事もあるし、Uターンさせ、更に2m引っ張っている間にバイトする事もあります。



デイゲームで魚が追い掛けて来る姿が見えている場合は、上図の様にUターンさせるパターンを実行しても良いです。
ナイトゲームではこの現象が多いのですが、毎回この距離を引っ張ると効率が悪いので、この様な状況が発生する時は、ナイト・デイ共に、横に60cm引っ張る途中でストップを2回入れるとバイト率がアップします。

尚、抜き上げアクションに拘り、Uターンさせながら長い距離方向転換していると時間の無駄になりますのでホドホドが良いです。


まとめ
〇L字で重要なのは90度の角度でLの字を描く事。
なぜ泳ぐ方向を変える動きに効果があるかは、【アクションの使いどころと重要性】の項目で説明しています。

〇60cmの距離を引っ張る。
50cm以内のバイト率が高いので、60cmの距離を引けば十分。
1m引っ張っても良いが時間効率が悪くなる。

〇引っ張るスピードはゆっくりがベスト。秒数で例えると、60cm引っ張るのに3~4秒。
スピードが速いと、ルアーを追う行動を止め、水中に沈んでゆく。

〇デイゲームで魚が追い掛けて来る姿が見えている場合や、ナイトゲームでのバイトが少ない場合は、1m以上の距離を引いたり、Uターンさせ、更に1~2m引っ張るアクションを実行しても良い。

〇L字で反応が悪い場合は、引っ張る途中でストップを2回入れるとバイト率がアップする。

〇バイトがあった場合のアワセは、横方向へロッドで引っ張りアワセを入れる。

〇抜き上げアクションでヒットした魚はフックが外れやすい、キャッチできるかは運しだい。

U字は、L字のアクション行えない時のアクションです。
船の立ち位置の関係や、ロッドを持つ手の向きの関係で、L字を引けないケースが多々あります。
この様なケースでは、U字のアクションで対処します。
ただ、L字の比べるとバイトする率は半分以下になるので、L字ができない時の対処方法とお考え下さい。



この抜き上げアクションは、船の側までリトリーブしてきたルアーを、Uの字を描くように動かし、最後にルアーを1~2秒止めます。
散々テストした結果、Uの字の大きさは適当で大丈夫な事と、バイトするタイミングは、Uの字を引いた後に1~2秒止めた時が多いです。

〇Uの字を引くスピード
L字の時は、『スピードはゆっくり』と説明しましたが、U字の場合は早くなければ大丈夫です。
表現は難しいのですが、『早くではなく、普通より若干遅く』です。
表現を変えると、ルアーが頭を振って泳がないスピードが良く、棒の様に真っ直ぐのままスーっと動いているスピードが良いです。

〇Uの字を行う水深
水深は深めの50cmでUの字を引いた方がバイト率が高いのですが、実際、毎回50cmの水深でアクションを行うのはかなり面倒です。(L字よりめんどくさい)
この為、10~30cm目標にします。
コツは、ラインの長さをロッドの半分ぐらいにして引っ張ると、Uの字を描きやすいです。

〇注意
ルアーの動かし方をUの字ならルアーを追ってバイトしますが、Vの字を描くように引っ張ると信じられないくらいバイトしなくなりますのでご注意ください。

■最後が2秒止めの抜き上げアクションです。
船の立ち位置や狙うストラクチャーの角度の関係で、L字やU字が引けないシーンは多々あります。
この場合は水深5~10cmの場所でルアーを2秒間止め、それからロッドを立てて再投入を繰り返します。



〇2秒止めるのがキモ!
リトリーブしてきたルアーを回収する際、水面下5~10cm場所でルアーを2秒止めるだけなので、非常に簡単な抜き上げアクションです。
2秒間止めるのが秘訣で、1秒前後ではバイト率が悪いので、2秒数えてから仕掛けを上げるようにします。
L字やU字に比べるとバイト率は悪いですが、想像以上にバイトするので驚かれると思います。

■結論
シーバスは、小魚が泳ぐ俊敏な動きに対し、『その小魚を追い続けても捕食に失敗する』事を『魚自身が自覚』しており、小魚やルアーに興味を持った魚はバイトチャンスを伺い、「今だ!」とのチャンスを見定めてバイトします。

そのチャンスとは、小魚(ルアー)が泳ぎを止めた瞬間や泳ぐ方向を変えた時ですので、最後の抜き上げアクションで、シーバスにバイトチャンスと作ってやれば必然的にバイトしてくると言う事です。

〇デイゲーム
デイでは海水のニゴリがある場合には行った方が良いです。
海水がスミスミで『ルアーを追い掛けてくる姿が見える時』は行った方が良く、追い掛けて来ない場合は行う必要はありません。
とは言え、油断している時に限り、ルアーを水面から持ち上げた時に魚が水面に飛び出してきてビックリする事があります。


〇ナイトゲーム
ナイトではすべての条件で船の真横までルアーを追い掛けてくる可能性がありますので、毎回この抜き上げアクションを実践する必要があります。
どこまで真剣に行うかは皆さんしだいですが、L字・U字・2秒ストップのいずれかを行う事によりバイト率がアップしキャッチ数が増えます。
65cmを超えるサイズは警戒心が強いので、抜き上げアクションでのヒット率が増えます。

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