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ルアー・フィッシング特有のアワセ方と、魚を寄せてくる際のロッドの角度について

この項目では、アワセの方法・バラシ対策・エラアライ対策について説明しています。
■目次
□シーバス狙い特有のアワセに付いて
□バラシ対策、ヒットした後のロッドの角度による対処方法
□エラアライは、『水面』で行うエラアライと、『水中』で行うエラアライとがある!
□参考文章・優しいテンションでヤリトリする方法

シーバス狙い特有のアワセに付いて
ルアーでシーバスを狙う場合のアワセは、ロッドの竿先を水面に向けたまま『リールを2~3回巻いて』、ロッドに魚の重みをグッと乗せるアワセ方となります。
TVや動画などでロッドを動かし『ビシッ!』っとアワセを入れる方法は、絶対に行わない方が良いです。



なぜ、『ビシッっとアワセを入れてはいけないか?』については理由があります。
その理由を知れば、貴方も優秀なルアーマンになる事ができます。



シーバスの捕食は、水面を泳ぐ小魚(ルアー)の遊泳層より深い位置から、小魚(ルアー)の頭をめがけて突進し、ガブリとくわえます。
上図を見てもらうと解りやすいと思いますが、フックのある下側方向からバイトしますので、ロットを上方向へ上げてアワセを入れると、フックが口周辺に引っかからずに抜けてしまいます。

この抜けを防ぐためには、バイトがあった瞬間にリールを巻き続ける事で、フックが口に掛かりやすくなります。

■ロッドでアワセを入れると、魚のキャッチ数が減る!
ルアーにバイトがあった際、全ての魚がヒットするわけではありません。
この事は、ルアーマンの皆さんであれば理解していると思います。



リトリーブ中にバイトがあった際、大き目のアワセを入れてしまうと、ルアーを追っていたシーバスが警戒してしまい、ルアーを見ているだけでバイトしなくなります。
もちろん、全てのケースで警戒するわけではなく、その後もバイトしてくることもありますが、連続バイトするチャンスを逃すのは間違いないです。

■巻きアワセなら、魚を警戒させず連続バイトを誘発できる!
巻きアワセの場合、ルアーに警戒心を与える様な動きが伝わらないので、連続バイトを誘発できます。
バイトによる乗りそこないの後は、バイトに失敗した魚や、同じルアーを追う別の魚が連続バイトする可能性が高くなります。



この連続バイトを誘発させる行動は重要で、ヤル気のあるシーバスを高確率でキャッチするためには、とても重要な行動であり釣り方でもあります。
普段から、巻きアワセによるアワセを常に行うようクセを付けましょう。

ちなみに、私の経験では、2回乗りそこないをおこした後、3回目のバイトでヒットする事が非常に多いです。

今まで見える魚と格闘してきた経験から、シーバス狙いはタダ巻きで狙うより、アクションを入れた瞬間にバイトを誘発する事がわかっています。
例えは上図の様にバイト&巻きアワセで釣り損ねた場合、ルアーに弱った魚の動きをイメージさせるアクションを入れることにより、連続バイトを誘発します。

このアクションによる詳細については、『アクションの使いどころと重要性』の項目で説明しています。
尚、連続バイトを誘発させるにはタタ巻きでも大丈夫ですが、アクションを入れる釣り方に比べると連続バイト率が減ります。

バラシ対策、ヒットした後のロッドの角度による対処方法
ルアーによるシーバス狙いは、バラシが多い釣り方です。
バラシの原因はフックが口から外れることですので、フックが外れにくいヤリトリを行えばキャッチ率が増えます。



本題に入る前に、なぜルアーのフックがフッキングしないかについてお話ししましょう。
シーバスはサイズが60㎝を超えると口の周りの骨が固くなります。
骨と骨の間の薄皮部分にフックが入れば良いのですが、なぜだか薄皮部分に刺さってくれません。

通常はフックの針先が口周辺に引っかかっているだけすので、引っ張る角度が悪いとポロっと外れてしまいます。
例えば強めのアワセを入れて、口周辺の骨にフックを貫通させようとしても、60㎝以上のサイズでは骨は非常に硬いので貫通させる事はできません。

このフックの針先が口周辺に引っかかっているケースが多い事が、バラシが多い要因です。
ヤリトリの最中、フッキングしていない方のフックが口周辺の骨以外の部分に引っ掛かってくれればキャッチ率が高くなりますが、そうそう上手くゆくわけもなく、引っ掛かったとしても、皮がちぎれてばらすこともあります。

釣り仲間でラパラのテスターだった榎本さんが水中撮影した映像には、ヤリトリの最中、ルアーが口の右に行ったり左に行ったりと動き回るそうです。
この現象がフックの針先が骨に引っ掛かっている状態です。

今までバラシ対策で色々なフックを試しましたが、バラシの少ない商品は針先の強度が強い商品です。
昔のフックは針先から2㎜前後部分が90度に曲がるケースが多く、この曲がる事で、”ツルン”と抜けてしまう事が多かったです。
近年のフックは針先の強い商品が多いので安物以外なら大丈夫だと思います。

フックのサイズは、12㎝までの普通のミノー系なら、#5番が良いです。
昔漁師として生活していた時は#4番をメインで使用していましたが、ルアーの泳ぎが悪くなるので、お勧めは#5番です。

現在のお勧めは、防サビ加工が施してあるフックです。
ただ、フックはルアー並みに高価なので、初めからルアーに取り付けてある商品を変える必要はありません。


□OWNER(オーナーばり) ST-46 スティンガートリプル
□がまかつ(Gamakatsu) 徳用 トレブル RB MH(ミディアムヘビー)  ¥1,944
https://www.naturum.co.jp/product/?itemcd=2932445&ref=wishlist
□がまかつ(Gamakatsu) 徳用 トレブル SP MH(ミディアムヘビー) ¥1,959
https://www.naturum.co.jp/product/?itemcd=2932437&ref=wishlist
★がまかつのフックは、徳用のバーブレスが販売されていないので、上の商品で我慢しています。

バラシ対策は簡単で、ヒットした後のロッドの角度により対処します。
下図は、お勧めできないロッドの角度と、お勧めするロッドの角度です。



■お勧めできない角度
お勧めできない角度は、ロッドを水平の位置より上方向へ立てた状態です。
今までの経験から、このロッドを立てた状態でヤリトリを行うと、魚からフックが外れやすくなります。

フックが外れやすくなる要因は色々あると思いますが、確証できる要因は一つだけ。
その確証できる内容は、下の項目で説明している”水中でのエラアライ”の時に、ロッドを立てながらヤリトリを行うとフックが外れやすい事は、実際にこの目で目視していますので確かです。

それ以外、フックが外れるホントの要因はわかりませんが、ロッドの角度で改善できますので、対処方法は下記にてご確認ください。

■お勧めする角度
お勧めする角度は、ロッドを水平状態から水面に向けた位置です。
どの位置がベストなのかは言い切れません。
なぜなら、その日の魚の活性具合で変化するからです。

私の経験では、水平状態が良い日もあれば、竿先を水面につけるくらいロッドを傾けた方が良い場合もあります。

■どの程度の距離まで、ロッドを傾けたままヤリトリを行わなければならないか?
船のすぐ側までロッドを下に向けたまま魚を寄せてくればバラシの数が減りますが、ヤリトリの際のラインの角度が見えにくいので、魚と船の距離が判断しにくくなります。
実際、ラインを巻きすぎて慌ててしまう事がありますので、どの程度の距離まで竿先を水面に向けていれば良いかを図にしました。



□5m先はバラシが多い
図のように、バラシが多い距離は船から5m先です。
この5m先の部分は、竿先を水面方向に向けてヤリトリする事によりバラシが軽減します。

□船から3~4m離れた距離
船から3~4m離れた距離は、当日の魚の活性具合でバラシの数が変化します。
ご自分で当日のバラシ具合を考慮し、竿先を持ち上げる距離を判断しましょう。

□船から3m以内の距離
3m以内の距離まで引き寄せたら、竿先を持ち上げないとラインを巻きすぎ慌ててしまいますので、魚の位置が近づいたらロッドの竿先を持ち上げましょう。



3m以内の距離でのバラシの数は、5m以上の距離でのバラシの数と同程度ですので、かなりバラシが多いエリアです。
特にタモ入れの際、逃げ回るシーバスと格闘している時にフックが外れることが多いです。
この時のバラシ対策は、【タモ入れのコツ 危険水深と安全水深を理解する】の項目にて説明しています。

■参考
私の好きなヤリトリの際のロッドの角度は、水平方向よりヤヤ下向きのスタイルです。
その理由は、ヒットした魚の位置をラインを見ながら常に確認しているからです。

また、ラインを見ていると、魚が泳いでいる水深を推測できます。
深めの水深を泳いでいる状態は、バラシが少なく良い状態。
表層に浮いてきたら『水面でエラアライする可能性が高い危険な状態』であることを判断し、ラインテンションを緩めにして水中に潜らせます。
そんな釣り方をしています。

お客さまのソムリエさんは、7,8年前からバラシの数が極端に減りました。
その方法は、竿先を水面ギリギリに向けながら、船から2mの距離まで少し強めのラインテンションで誘導し、「魚を抜き上げられる!」と判断したら、ドラグが出ないようにリールのスプールを押さえ、一気に水面方向へ誘導します。
この際、魚が反転したらドラグを出しなやり直し。
このスタイルに変えたら、10匹バラシていた魚が2匹程度になりました。

ソムリエさんのバラシが減った要因は、船の2m地点まで竿先を水面スレスレにする事と、タモ入れの際、一気に水面に抜き上げる事によりバラシが軽減しました。

皆さんも自分なりのロッドの角度があると思いますので、当日のバラシ具合を考慮し、お気に入りの角度を見つけましょう。


エラアライは、『水面』で行うエラアライと、『水中』で行うエラアライとがある!
シーバスのエラアライの行動は、シーバスが異物(食べる事ができない物)を食べてしまった時に行う行動で、首を振りながら胃の中の消化物を吐き出す行為をエラアライと呼びます。(自論)
一昔前には、口に引っかかったルアーを首を振って外す行為とか、エラでラインを切る行為だとか言われていました。

現在、どのように言われているかは不明ですが、このエラアライの行動は口にルアーが引っ掛かっていない場合も行いますし、エサ釣りで針が口にかからずスッポヌケした場合や、ヒットした魚から針がはずれた時にもエラアライを行います。
なので、異物が口に引っ掛かった時や、異物を食べてしまった時の習性と言う事ですね!


■水面で行うエラアライと、水中で行うエラアライ
エラアライは、『水面』で行うエラアライと、『水中』で行うエラアライとがあります。
このエラアライの行動は、ヒット後のロッドの角度が上を向いている時も下を向いていてる時も行いますので、ロッドの角度でエラアライを抑制することはできません。



■ヤリトリの最中にエラアライしそうになった時の対処方法
ヤリトリの最中にエラアライしそうになったら、下図の様に、ロッドの竿先を水面に向けましょう。
この時のラインテンションは、強くもなく・弱くもなくが理想です。



この時、ラインを強く引っ張りすぎると『エラアライが続いてしまう』ので、リールを巻かず、ホドホドの強さでロッドに重みを乗せましょう。

この『ホドホドの強さ』が難しいので、何度もエラアライの時のロッド・テンションをご自身で体験しながら、ロッドを持つ手に重さを覚えさせるしかありません。

ちなみに、エラアライを止めさせるにはラインテンションを緩めてやるのが良い方法です。
なので、リールは巻かないようにしましょう。
私はリールのドラグを使用しない釣り方なので、通常はリールを逆回転させ、ラインを少し出し、ラインテンションを緩くして対処します。

但し、魚によってはラインテンションを緩めてもエラアライを続ける魚がいるので、その場合はフックが外れない事を祈りましょう。

■エラアライの行動を抑制する方法・パートⅠ
エラアライを100%抑制する方法はありませんが、『させにくく』する方法は二つあります。



□一つ目は、魚がヒットした後、ロッドの竿先を上に向けてしまうと『水面』でエラアライをする可能性が高くなりますので、船から3~5m近い距離に寄せるまでは竿先を水面に向ける釣り方がお勧めです。
この竿先を水面に向ける方法はバラシ対策と一緒ですので、シーバスフィッシングでは、魚を船の近くへ寄せて来る方法は、ロッドの竿先を水面に向けてのヤリトリがベストと言う事となります。

□二つ目は、ラインテンション緩めで魚を寄せてくることです。
この『緩め』でのヤリトリを行うと、魚が水中に潜り、不思議と水面でエラアライをする可能性が減ります。
逆に強く引っ張ると水面でエラアライする可能性が増します。

ちなみに、ストラクチャーのすぐ側で魚がヒットし、ストラクチャーでラインが切られる危険性が高いと判断した時は、ロッドを立てて強引に引っ張る事でエラアライを誘発させ、危険なエリアから魚を引きづり出す釣り方もあります。
だた、水面でエラアライをさせると付近の魚が警戒することが多いので、エラアライはできるだけさせない方が良いのは事実です。

尚、緩めのヤリトリに付いての説明は、このぺージの最後の項目で説明しています。

■水中でのエラアライってなに?
水面で行うエラアライはルアーマンの方なら見慣れたシーンだと思いまが、水中でのエラアライは、海水スミスミでベタナギの条件でないと見にくいので、『水中でのエラアライってなに?』と思われるかもしれません。



長年シーバスを狙いエラアライの行動を観察していると、口に中から小魚の残骸が飛び出すシーンをたまに見かけます。
水面のエラアライで飛び散る小魚の残骸は、オープンエリアでハネが出ている条件の時たまに見かける程度ですが、水中で行われるエラアライでは、かなりの確率で首を振っている近くに小魚の残骸が漂います。

■水中でのエラアライの行動を推測する
水中でのエラアライの行動は、普段の条件では目視することが難しいと思いますが、ロッドから伝わる感触で行動を察知する事ができます。

そのロッドに伝わる感触とは、魚が水中で動かなくなり、ロッドの竿先にクンクンクンと首を振っている感触が伝わります。
表現を変えると、リールが巻けなくなり、ロッドの竿先にクンクンクンと首を振っている感触が伝わります。

実際、ヒットしたシーバスを寄せてくる最中にバラシが多い瞬間は、この水中で行われている首振り行動の時が多い事がわかっており、バラシ対策の方法は、ロッドの向きを水面側に向けることによりでフックが外れる事が少なくなります。

■エラアライの行動を抑制する方法・パートⅡ
では、エラアライの行動を100%抑制する方法はないのでしょうか?
その答えは、私が色々と試した結果は、「エラアライさせにくくすることはできても、抑制することはできません!」でした。

私が長年水中に見えるシーバスの行動を見て格闘してきた結果、ルアーのフックやエサ釣りの針が『口に触れただけ』で水中でエラアライを行います。
と言う事は、異物が口に触れただけでもエラアライする魚がいるので、『抑制する事は困難である』との結論となりました。


■結論
実際、ルアーフイッシングでもエサ釣りでも、エラアライの行動を全くしない魚体も多いので、『エラアライをするか・しないか』は運しだいとなります。
まあ、エラアライ対策とバラシ対策の方法は同じですので、普段のヤリトリでロッドの竿先を下に向けるクセを付ければ良いだけです。


■最後に
こんな文章を作成した私ですが、
魚がヒットした後、ヤリトリの最中に竿先を上に向けてしまい、魚をバラシてしまう事が時々あります。
また、シーバスがヒットした時に竿先を上に上げて、アワセを入れてしまう事がたまにあります。

ヤリトリの最中に竿先を上に向けてしまう行動は、船の操船が忙しい時に行う行動で、ギアーを前進更新に入れたり、ハンドルを回したりする時に、フックが外れてのバラシが多いです。
この行動から導き出される答えは、ヤリトリの際は、できる限りロッドの竿先を上に向けない方が良いという事です。

竿先を上に上げてアワセを入れてしまう行為は、バイトの数が少ない時にミスをすることがたまにあります。
この行動はシーバス以外の魚種を狙っているお客様に多い現象です。
『竿で合わせる』行為は、「シーバス狙いでダメだ!」と理解していても、身体が勝手に動いてしまうのだから仕方がないですね! アハハ・・・

参考文章 優しいテンションでヤリトリする方法
遊漁船を始める前、漁師として生活していた時は、優しいテンションでヤリトリする方法を基本としていました。
優しいテンションでヤリトリする理由はバラシが少ないからです。

優しいテンションとは、魚の泳ぎに逆らわらず、グググと引っ張られたらリールを逆回転させラインを出し、ラインが巻ける時には一定のテンションで巻き続けます。

この事により、魚がエラアライする確率を下げ、大暴れせず船の横まで”スー”っと寄ってきます。
最後は船の上を左右に歩き魚をリードし、頭の向きを自由にできるようになったら、一気に抜き上げタモ入れします。
この時、魚は警戒せず船に寄ってきて、水面でエラアライしたい気持ちを抱いているので、その気持ちを利用して抜き上げますので、不思議と勝手にジャンプしてくれるのでバラシが減ります。

遊漁船の仕事を始めてからはお客様優先で釣りをしているので、優しいヤリトリができない事により、昔に比べるとバラシが増えました。
・意外と操船が忙しく、優しいヤリトリができない。
・魚が釣れている時にはお客さまもヒットする事が多いので、取り込みを早くしなくならない。
・ストラクチャーを狙う際、危険な角度から狙わなければならないので、強引なヤリトリになる。

そして笑っちゃうことに、水面でのエラアライでバシャバシャと音をさせて、お客様にプレッシャーをかける喜びを覚えてしまいました。
アハハ・・・
「魚の活性が悪くなるからエラアライはさせない方が良い!」と説明している船頭とは思えない発言ですね!
まあ、長々とバラシ対策を記載しましたが、ルアーフィッシングは楽しければ何でも良いとの事ですね!(^_-)-☆

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